建築士との打ち合わせが捗る3アイテム
建築士との打ち合わせに不安はありませんか? うまく要望を伝える方法はご存じですか? 私が家を建てる時に最も困ったことは、建築士に間取りのイメージを正確に伝えられなかったことです。 後から「そうだっけ?」と、話が噛み合わないことが多々ありました。
ひとつひとつは小さな行き違いでも積み重なると、どんどん理想の家から遠くなります。 そうならないよう、「落書きノート」「メジャー」「付箋」を使って、上手に建築士にイメージを伝えましょう。
建築士に何をどのように伝える?
建築士の仕事はあなたの要望を聞き、それを設計図に直すことです。また、それを各施工担当者に問題がないか確認します。ですから、質問されたときに、自分が描いている考えを正確に伝えなければいけません。
では、どうすれば正確に伝えられるでしょうか? 「やってほしいこと」だけではなく、「見えるイメージ」「数字」「理由」も伝えればいいのです。
頭の中の間取りイメージを言葉で説明するのは大変です。落書き程度でも見えるイメージがあると伝わりやすくなります。 また、数字を添えることで、イメージの細部がより明確に。 理由を伝えることで、他に良い代替案がないか?もっと安くすませる方法ないか?など、提案してもらえるかもしれません。
以上のことを踏まえ、「落書きノート」「メジャー」「付箋」を、どのように建築士との打ち合わせに使うのか見ていきましょう。 うまく使えば打ち合わせがスムーズに進むだけでなく、建築士からも一目置かれ、いい仕事をしてもらえます。
落書きノートでイメージで見える化
「ここをああして、こうして」と一所懸命に説明しても、頭の中のイメージまでは伝わりません。 それよりも、落書きノートにイメージを描いて、「こういうイメージです」と見てもらいましょう。 言葉で説明するよりも、速く正確に伝えられます。
ノートは、白地のものか、薄い方眼入りが使いやすいでしょう。 可能であればコピーや写真を建築士に撮ってもらっておけば、言った言わないもなくなります
メジャーで「このぐらい」を数字になおす
ニュアンスや雰囲気だけで伝えたイメージでは、建築士に正確な情報として伝わりません。 その結果、想像していたものと似ているが違うものが出来上がってしまいます。
例えば通路の幅。もし、今住んでいる住宅で狭いと感じているなら、その幅を測り、あと何cmあればいいのか確認しましょう。
例えば棚の奥行き。食器や鍋を置くのに不便はありませんか?何cmあればいいのか測ってみましょう。
不便がある場所だけではなく、よく使う通路(つまり満足している)や、お気に入りの場所など、とにかく住んでいる場所の広さを測ってメモしておきます。 そうすることで、建築士とのやり取りが速くなり、長さに対する感覚も鋭くなっていきます。
付箋を使って理由・目的・優先順位を明確に
なぜ、それをするのか?理由がわからないと、物事の優先度や目的が伝わりません。 例えば、廊下の一部分を広くとりたい場合。建築士は部屋の収納を広くするために、その廊下を狭くした間取り設計を提案するかもしれません。 ところが、その廊下は朝の忙しい時間に家族がすれ違う場所で、広くしたいと発注主は考えていたのです。 こうして小さな誤解が生まれ、間取り図の修正回数が増えていきます。
これは事前に理由や目的が伝わっていれば防げることです。 建築士も人間ですから、小さな修正が頻繁に起こると、時間が減った分、最後はやっつけ仕事のようになりかねません。 そうならないよう、付箋を使って理由や目的を伝える工夫をしていきましょう。
付箋のいいところは、剥がせること・目立つことです。 目立たせたい「理由」・「目的」を付箋に書き込み、落書きノートに貼って目立たせます。
間取りなどの打ち合わせも後半になると、落書きノートには多くの情報が書き込まれています。 気がつくと、何のためのメモなのか?目的は何か?重要なのか?と、描いた本人もわからなくなっています。
そうならないよう、重要な「理由」・「目的」を付箋に書いて貼ります。 ここで使う付箋は書き込む文字が多いため、よく使う短形のものではなく正方形の大きい付箋がベターでしょう。
とくに不便を改善したい場所、理想のために譲れないことなどは、付箋の色を変えて目立たせるようにします。 色分けして優先順位を明確にしておけば、建築士や施工担当者にも重要視していることが伝わります。 家族会議で間取りについて意見が分かれた時にも役立つでしょう。 付箋は一見、地味ですが効果的なツールです。ぜひ活用法を考えてみてください。
間取り決めの進め方
最初に建物価格を決めるために間取りを決めていくことになるでしょう。この段階から落書きノートを活用していきます。
まず、住んでいる家の間取りを、できるだけ正確に落書きノートに描き込んでいきます。この際、廊下の幅や不満がある箇所には、メジャーで測った長さも記入しておくと打ち合わせがスムーズです。
次に描いた間取りの上に、動線を加えます。 動線とは、自分たちが普段どのような動きをして生活をしているか確認するためのものです。 よく通る場所を意識しながら、矢印を使って書き込みましょう。 動線を確認しておくと、より良い生活環境を作るためにどこを改善すればいいのか分かるようになります。
この時に不満点を付箋で貼っておき、改善したいこととして建築士に伝えます。
現在の間取り図が完成したら、新しく建てる家の理想的と思える間取り図を作ってみましょう。 予算は気にせず、わがままを全て詰め込みます。庭にプール、家の中に滑り台、理想だから何を描き込んでもかまいません。 現実と照らしあわせて削るのは建築士との打ち合わせですればいいのです。 新しく建てる家の間取り図は頻繁に使いますから、落書きノートとは別の大きな方眼紙に描いてもいいでしょう。
理想の間取り図を考える段階から、ハウスメーカーや内装など、様々なショールームに足を運ぶことが多くなります。 その際は「落書き帳ノート」と「メジャー」は必ず持ち歩きましょう! 気になった間取りや内装を全て記録し、サイズを測り、写真も撮っておきます。
理想の間取り図が完成したら、現在の間取り図と見比べる作業です。とくに現在の間取りの動線と不便な場所などが解消されているか確認します。こうすることで、確実に現在の家よりも良い生活環境を作ることができるのです。
この段階で見えてきた実現したいことも付箋で貼っておくといいでしょう。
間取り決定の後半になると「見積もり額」と「予算」のすり合わせが始まります。ここからは、理想の間取り図から不要なものを削り、優先度の高いものを残していきます。
何から削ればいいでしょうか?付箋で貼った優先度の高いことや改善したいことを確認しながら、丁寧に検討していきましょう。 すでに貼ってある付箋の優先度を見直し、納得のいくまで付箋を貼りなおすと、現実的な理想の間取り図ができあがります。
迷った時はどうすればいいでしょう? 建て替えないと変更できない部分を優先し、リフォーム対応できるものを削るようにすると無駄がありません。 小さなことでも「建てるときに、ああしていれば・・・」という後悔は、いつまでも残ります。 そういった後悔しても後から変更できないことを優先します。 リフォームで対応できるものは、「建てた後で検討する」と考えると楽になります。
まとめ:家づくりで大切なこと
家づくりで最も大切なことは、あなたの生活に合わせた設計をすること。 そのためには、建築士に正確に情報を伝える工夫が重要です。
- 落書きノートで、イメージを見える化する
- メジャーで測って、あやふやを正確に
- 付箋を使って、理由・目的・優先度を明確に
楽しくも大変な作業ですが、ひとつずつ課題をクリアし「後悔しない家づくり」につなげてください。 きっと、「落書きノート」「メジャー」「付箋」が役にたちます。