平屋の間取りは動線と収納のチェックから
リビングの広さや内装だけで間取りを決めていませんか? 動線と収納を意識すると、ストレスの少ない快適な生活空間をつくることができます。
間取りを考えるのは楽しいですよね。モデルルームを見てまわったり、雑誌で良い雰囲気の部屋の写真をスクラップしたり。ところが、目に見える部分だけで間取りを決めてしまうと、肝心の使い勝手が悪かった・・・。と、後悔が残る家になってしまいます。
そうならないよう、動線と収納のチェックから始めましょう。
動線を意識してストレスのない間取りを
間取り決めの失敗とは何でしょうか?それは間取りの悪さが原因となって、家族が日常的にストレスを抱える状態になることです。ほんの小さなこと、例えば隣の部屋からの物音や廊下でのスレ違いが小さなストレスになって積もっていきます。動線(家の中での人の動き)を認識してストレスフリーな間取りを目指しましょう。
現在の家の間取り図を作る
まず、自分が住んでいる家の間取り図をノートに描くことから始めます。 それほど正確ではなくても大丈夫ですが、方眼入りのノートに描けば作業がはかどります。 また、普段の生活で不便だと感じている場所があれば、メジャーで長さ・幅を図っておきましょう。 長さ・幅を数字で知ることで広さの感覚が身につき、新しい家の間取りを考える際にも役立ちます。
動線を描き込む
動線は家の中での人の動きです。部屋から部屋への移動や、よく使う場所(トイレ・洗面台など)への移動を間取り図に描き込んでみましょう。実際に書き込むと、どこが使われているのか?人がすれ違うか?などが目で見てわかります。
できれば、家族全員の動線を細かくチェックすると無駄がありません。いつ(When)誰が(Who)何のために(Why)移動するのか認識しておくと、廊下やキッチンでの混雑が軽減されます。
動線から改善したい場所を特定する
動線確認のポイントは、「動線を短くできないか?」「重なる動線を少なくできないか?」を考えていくことです。そうすることで、家の中での移動がスムーズになり、ストレスを減らすことができます。
同時に休む場所と動線の集中する場所を離せないか考えます。自分は気にならない音であっても、家族のストレスになっていることがあります。通行の多い場所と寝室・リビングのソファーは離したほうがベターです。
この時に見つかった改善したい動線・場所を忘れないようメモしておきましょう。新しい間取りを考える際のチェックリストとして使えます。
よくある間取りの悪い例は次のようなものです。
- 人がすれ違う廊下が狭くぶつかる。
- 洗面とトイレが近く混雑する
- キッチンの奥に水道があり人の往来が多い
- トイレの音がリビングに伝わり居心地が悪い
新しく家を建てても、不便が残っていると心残りになってしまいます。改善のために不便をはっきりさせて改善点をみつけましょう。
収納を見直せば掃除・片付けが楽になる
収納の使い勝手は生活の不便に直結します。収納の使い勝手が悪いと、一部屋を荷物が占拠するなんてことも。そうならないよう、使い勝手のいい収納の広さ・場所を見直していきましょう。
現在の収納スペースを確認
今、住んでいる家の収納スペース確認から始めます。容量は足りているか?よく使われる収納はどこか?収納がなくて不便な場所はどこか?と、いった視点でチェックします。
よく使われる収納の容量をチェック
まず、出し入れが多い収納をチェックします。容量は足りていますか?現在はどの程度の容量ですか?メジャーで測ってみましょう。あわせて、なぜよく使われる収納になっているのか、理由も考えてみます。
反対に使われていない収納はどこですか?なぜ使われていないのでしょうか?出し入れが少ないなら、新しい家では収納スペースを減らしてもいい場所かもしれません。
必要な収納スペースは増える
収納が最も使われるのは子育て期です。子どもたちが巣立った後、あなたの家の収納スペースはパンパンに詰まっているはずです。思い出の品を捨てるのは忍びないので、ある程度は仕方のないこと。それを見越して、子供部屋やその周囲の収納スペースを多めに見積もっておきます。
一気に便利になる収納スペースの工夫
収納にあると便利な代表選手は、電気とコンセントです。私は暗い収納で物が見つからないとイラッとしてしまいます。そこで、電気とコンセントがつけられないか家の設計段階で考えておきます。両方が無理でも、コンセントがあれば後から照明をつけられます。コンセント優先で検討してください。
また、奥行きがある収納だけでなく、浅い収納を多めに作っておくと使いやすい家になります。とくに普段の生活の中で使用頻度が高い収納は浅いほうが便利です。奥行きがある収納の奥に仕舞い込んだ物、出し入れするのは億劫ですよね?浅いほうが取り出しやすいことも忘れないようにしたいです。
外の収納スペース
家の中だけではなく、外にも収納スペースが置けないでしょうか?家に備え付けるタイプでもいいですし、場所が許すなら小さなプレハブでもいいでしょう。外で使う道具は汚れやすく、家の中に仕舞っておくのは大変です。最初からなくてもかまいません。スペースだけ確保しておくといいでしょう。
新しい間取りで、今よりも良い環境をつくる
動線と収納の位置を確認することで、住んでいる家の改善点が見つかりましたか?これで、新築の新しい間取りを考える際にも、何が重要なのか?がイメージしやすくなっているはずです。
これから作る家の間取も、動線と収納をチェックして改善点を探してください。改善方法を探すためのショールームめぐりも楽しいですし、目的がはっきりしているので、適当な間取り決めになることはないでしょう。
細かい部分は、建築士に改善したいことを伝え、実現できるかどうかを相談していきましょう。あなたが改善したい生活の不満点を伝えることで、スムーズに間取り決めが進みます。
事前に動線と収納をチェックするのは、面倒と感じるかもしれません。ですが、この一手間をかけることで、 今よりも良い生活環境を作るための間取りを考えることができるのです。
生活パターンを前提に間取りを決める
最後に、生活パターンに合わせた間取りのヒントも書いておきますので参考にしていただければ。将来の生活パターンを想像しながら必要なものを想像するのがコツです。
- 父親と子供は外でいっしょに遊ぶだろう
→ 戸口のスペースを広く水道をつける - 読書が好きだ
→ 静かに読書できるスペースを数か所つくる - 年に数回しか使わない大きな物
→ 屋外に収納コンテナはおけないか - 花や野菜をつくりたい
→ キッチンから栽培スペースが見える作り
間取り決め まとめ
間取りぎめは楽しい作業ですが、楽しいあまりに最後は疲れて適当になってしまうこともあります。そうならないよう、動線・収納・生活パターンから、住みやすい家のイメージを明確にすることから始めてください。きっと、あなたの理想の間取りイメージがつかめます。