退去時の条件を確認して費用を節約する
入居契約時には、 借りる家・部屋のことや新しい生活のことばかり考えがちですが、退去時の決めごとも確認しましょう。入居時にサインする契約書は、入居時だけでなく、退去時の決めごとも書かれています。この退去時の決めごと次第で、万単位のお金の差が出てくることは珍しくありません。ですから、契約前に、退去の申告方法や敷金の返金などについて確認することが大事です。
退去申告について
まず、退去の申告が、何ヵ月前までなのか、確認しましょう。 『○ヵ月前までに申告すること』と、契約書に記載があるはずです。
退去する時は、「退去立会い」と言って、引越しの荷物を運び出した後、管理会社の担当者と入居者とで、室内の現状の確認をすることが必要になります。 経年劣化の傷みだけなのか、故意過失の傷みがひどいのか、2者立会いで確認します。 退去の申告に期限があるのは、この「退去立会い」をする日程を担当者と調整するためでもあり、不動産会社が次の入居者を探す準備をする期間に充てるためでもあります。あなたが退去してから、ルームクリーニングの業者が作業に入り、その後すぐにでも新しい入居者に入ってもらわないといけません。少しでも空室である期間を減らしたいのが、貸主と管理会社の希望です。
この退去の申告が遅れると、契約書に沿って、引っ越した後でも家賃を支払わないといけなくなります。申告した日付を残せるような書類が作成されているはずなので、それを管理会社へ提出します。この提出が遅れたせいで、もう住んでいないのに何万もの家賃を支払うことになってしまう人も、時々います。
退去月の家賃は、日割りになる場合とならない場合があります。これも、入居時の契約書に記載されていますので、確認しておきましょう。次の引っ越し先にばかり気持ちが行きがちですが、家賃の日割りでも数万円なので大金です。
敷金の返金とルームクリーニング代
次に、敷金の返金とルームクリーニング代についてです。入居契約金の中の『敷金』は、退去時に、ルームクリーニング代を差し引いて返金されます。
このルームクリーニング代というのが、ちょっとクセ者です。何をどう修繕するためにいくら、という「明細」が付いていない事が多いからです。私も一度、その金額の大きさにびっくりしたことがあります。すぐに管理会社に質問したところ、半額近くに下がりました。
基本は、「出来るだけ高い=出来るだけ良い」ルームクリーニングを、という事なのかもしれませんが、中身を知らされていない入居者としては、ぼったくられたような気持ちになるものです。返金されると思っていた敷金から、はっきりしないルームクリーニング代がたくさん引かれると、びっくりして疑問に思いますよね。
この、はっきりしないルームクリーニングの中身について、問い合わせない入居者も多いですが、ぜひ質問しましょう。一概には言えませんが、何かあっても大丈夫なようにルームクリーニング代を高めに設定している場合も少なくありません。入居者に不利な仕組みのようにも思えますが、貸主からすると入居者が綺麗に使ってくれるか分かりませんので、仕方がない部分もあります。
では、賢い入居者としては、どのように行動すれば良いでしょうか? 実際に、ボッタクリがあるかどうかは別問題として、損をしないための予防策を考えていきましょう。
ルームクリーニング代の相場を調べる
ネット検索でも、知り合いに聞いて回るのでも良いです。相場というものには地域性があるので、物価の高低なども考慮しましょう。
高いと思ったら問い合わせる
単純に質問として、なぜこの金額なのか聞いてみましょう。納得できる理由がある場合もあります。タバコによる汚れは故意過失に当たりますので、追加で請求されることもあります。キッチンの油汚れがひどい場合も追加請求になり得るので、出来るだけ自分で掃除しておきましょう。そしてもし、明細を出してもらえるとしたら、頼んでみましょう。
自分でルームクリーニング業者を手配しても良いか聞く
自分でルームクリーニング業者を手配して、「退去立会い」をルームクリーニング後にしてもらえるか、聞いてみましょう。もしこれが出来るとしたら、不動産会社への上乗せ手数料分を安く済ませられることにもつながります。ただし、引越しの荷物を運び出した後、ルームクリーニング業者に作業してもらい、その後で管理会社との「退去立会」になるので、全てを同日に出来ない場合もあります。別日になる場合、その物件にもう一度行く交通費を考えると、不動産会社にルームクリーニングを手配してもらう方が安く済む場合もあります。
私は契約内容を見ていますよ!という姿勢が大事
ルームクリーニング代を重視していない、何も言ってこない、と思われると、色んな上乗せがされた金額になってしまいやすいです。『ちゃんと見ていますよ』という姿勢を見せることが大事です。
とはいえ、どのような場合でもルームクリーニグ代はかかります。安く済ませるために、自分でキレイに掃除しておくことは大事ですが、綺麗さではプロの仕上がりには敵いません。新しい入居者が入る前に、必ずルームクリーニグ業者に依頼する貸主もいます。通常は、敷金から数万円差し引かれるのが普通ですから、あくまでクレームではなく質問するという姿勢で聞いてみてください。
入居時契約が全て!
退去時になってから、『聞いてなかった!』と言う人も多いですが、入居時にサインした契約書にはきちんと記載されているものです。入居時と同じく、退去時のことにも気を配っておかないと、予定外の出費が増えてしまいます。入居者自身がきちんと確認していれば支払わずに済んだものや、安く済ませられるはずのものもあります。面倒ではありますが、賢い入居者になるために、手元の入居契約書は、よく読んでおきましょう。